まずは内的世界を探求する

私たちは誰でも自分の非常にプライベートな内的世界で生きているのです。私はそれを小さい頃からなんとなく感じていました。

人によっては、そのことにあまり気づかずに生活している場合もあるでしょう。けれども、気づいているかどうかの違いがあるだけで、実際には皆が同じ状態にあるのです。

自分の内的世界以外のことは知ることができません。互いにそれを知ることも決してできないことは明白です。

私たちにできることは、類推することだけ。きっとこうに違いないとか、自分もこうだったので、あなたも同じだろうということです。

それを知っているとするのは間違いなのです。だからそこはもうキッパリと諦めること。一人ひとりの内的世界が交わることはないのですから。

その代わりに内的世界をしっかり見つめ直すのです。自分が生きているプライベート世界とはどんなものなのか。

そしてそのプライベートな世界、空間を探求し続けていると、今度はその中にこの宇宙の全てが含まれているという感覚がやってきます。

そうして、自分は個人ではなかったと気づくのです。これは、たった一人孤独の中で瞑想しているうちに、全体性へと変化していくことに似ています。

内的世界だと思い込んでいたのは自我であり、見つめ続けるうちに自我が小さくなって、その結果内側も外側も消えてしまうのですね。