安心するために思考を止める

学生の頃、調子に乗ってお酒を飲み過ぎてしまった翌朝、目が覚めて「アレ!?昨日あれからどうしたんだっけ?」ということがたまにありました。

完全な記憶喪失状態になってしまうのですね。お酒の席での途中までは覚えているのですが、それ以降どうやって帰宅したのかなどを一切覚えていないのです。

コンタクトレンズを外した記憶もないので、確かめてみるとちゃんと外して洗浄までしてあるのです。

どこかで転んだみたいにズボンが汚れていたり、知らない擦り傷などを見つけると、一体何があったのだろうとちょっと不安になるのです。

経験した人だけが分かることですが、記憶がなくなるというのは本当に嫌なものですね。自分が信じられなくなるのですから。

高齢になって短期記憶がなくなってしまうと、あの状態が日常的になってしまったのと同じなので、本人はとても辛いだろうと察することができます。

私たちは不安を払拭しようとしてあれこれと考えるのですが、その時思考が頼りにしているのは記憶なのです。

だから記憶がない状態では、安心したくて考えれば考えるほど思考は行き詰まってしまい、より一層不安になってしまうという悪循環を生むことになるのです。

そんな時には、日頃から意識的に生きる練習をしておけば、安心するためには思考を止めればいいと分かるので、すぐに瞑想へとシフトすることになるのです。

安心しようとして思考するという悪い習慣をなくしていく努力は、いずれやっておいて良かったと思える日が来るでしょうね。