落ち着くということ

私たちは、ゆったりとくつろいで、穏やかな状態でいるときに、自分の心が落ち着いていることに気づきますね。落ち着いているときというのは、いつも気持ちのいいものです。

なぜなら、落ち着くとは、落ちて落ちて落ちてこれ以上落ちることのできない底にまで落ちて着地するという意味だからです。着地したのですから、もう心配する必要がないのです。

だからといって、生きている限りずっと落ち着いていたいとも、落ち着いていられるとも思ってはいません。嬉しいときや感動しているときなどは、いい興奮がやってきて、大声が出るかもしれません。

応援している我が子が、徒競走で一等になったら歓声をあげるはずです。こうした興奮状態というのは、望むことはあっても、そんな時に落ち着いていたいなどとは思わないはずです。

また、恐怖に引きつっているときや、激怒しているとき、あるいは何かを不安に思っているときなどは、別の意味での興奮がやってきていますので、この時はたとえ落ち着こうとしても、なかなか落ち着くことはできません。

子供時代というのは、大人になった今よりも体験の一つひとつが新鮮であって、心が起こす反応も大人よりも強烈であったはずですね。

そういう意味で、子供のころは今よりも興奮していたのです。それはつまり、落ち着いてはいられない状態が続いていたということでもあります。

勿論、子供の個性によってその落ち着きのなさには高低差があるのは当然です。エネルギーが有り余っていつも何かにそれを向けずにいられない子は、より落ち着きがないように見えてしまいます。

けれども、先ほども言ったように、そうした傾向というものは大人へと成長するにつれて、次第に弱まってくるため、自然と大人らしい落ち着きを手に入れられるようになるのです。

子供時代の落ち着きのなさを心配してしまう親御さんもいらっしゃるでしょうけれど、こうしたことを考慮して長い目で見てあげられるといいと思います。

そして、子供であれ大人であれ、自分が求めたときにすぐに心を落ち着かせることができるようになりたければ、瞑想することをお勧めします。

瞑想を毎日繰り返し自分に経験させてあげると、そのうちに思考を緩ませる術を体得できるようになるため、比較的短時間のうちに心を落ち着かせることができるようになるはずです。