「ありがたみ」に意識を向ける

以前に、熱帯雨林の中で戦い続けている兵隊さんたちが、一番欲しいものは雨をしのげる屋根だと言っていたというのを聞いたことがあります。

一日中雨に濡れようと、敵に打たれて死ぬよりはいいと思うのが普通ですが、来る日も来る日も土砂降りの中で仮眠することを考えれば、どれだけ屋根が欲しくなるかも分かるというものです。

私たちは、屋根がなければ困るということは勿論理性で十分に理解して生活してますが、屋根のことを喉から手が出るくらいに欲しい、屋根が本当にありがたいと実感したことはあまりないかもしれませんね。

昨年末にオフィスの引越しをして、新しいマンションには駐車場がなくて、近隣を探してもあまりにも高額過ぎて手が出せず、仕方なくバスで通勤している時期がありました。

それまでは、マンションの地下に駐車場があったので、雨にも濡れずに出かけることができたのですが、ちょうど真冬の時期のバス通いはなかなか辛かったです。

しばらくして、そこそこの価格の駐車場が偶然?にも見つかったおかげで、クルマ通勤ができるようになったときには、本当に駐車場の有難さを痛感したものでした。

いつも不自由なく使えているものが、突然なくなったときに気づくありがたいという思い、これはとても貴重な体験ですね。

普段から、何気なく使っている身の周りにあるもの、あるいはいつもそばにいてくれる親しい人たちのことを、当り前のように思ってしまう傾向があります。

いつも通っているスポーツクラブの困った点を指摘しあって、みんなで愚痴ってるうちが花で、そこが倒産してしまったら困るのは自分たちなのだと、常連のみなさんと時々話し合ったりしています。

何かが足りないという欠乏感に意識を向ける代わりに、時々は当り前と思っているあらゆるものに「ありがたみ」を感じて感謝の念を抱くのもいいかもしれませんね。