愛について

私が今学んでいる途中である、「奇跡のコース」という本の序文に以下のような文章があります。

『…。このコースは愛の意味を教えることを目指しているのではない、なぜならそれは教えられることを越えているからである。しかしながら、愛は実在するもの、と自覚することをさえぎるものを取り除くということはたしかに目指している、そし てその愛はあなたが生まれながらに受け継いでいる。…』

本当に実在するのは愛だけである。しかし、真実の愛を本で教えることはできないと言っているのです。それは我々人間の存在を超越した領域のことであるからであり、だから人間が発明した文字では表現できないということなのでしょうね。

ただし、私たちが理解できる範囲の愛というものに意味がないということではありません。その逆です。私たちは分かる範囲で、できるだけ愛を使う、愛を与える日々を過ごすことによってしか、幸せになることはできないと説いています。

大切なことは、「愛はあなたが生まれながらに受け継いでいる…」という箇所です。私たちの一人ひとりは、みんな等しく愛に溢れた存在であるということです。例外は全くありません。

どんな極悪非道な犯罪者でも、あなたが個人的に憎んでいる人でも、世界中の誰でもが本当は愛のかたまりだということです。でも、そう言われても自分は愛というものがよく分からないと思っている方もいらっしゃるはずです。

それはきっと生まれてから今まで生きてきた人生の中で、愛とは正反対の怖れ、怒り、絶望などの苦悩を沢山経験してきてしまったからなのだと思います。でも、自分の心の奥を注意深く観察すれば、必ず愛がそこに横たわっているはずです。

みなさんは、愛されることと愛することとどちらが幸せだと思いますか?女性の場合は特に、愛されることが幸せに違いないと思っている方が多いかもしれませんね。

しかし、これは比較の問題では実はないのです。愛されるということ、そのものには意味はありません。愛の本質は愛するということによってのみ意味を成すからです。愛するということは、愛を与えるということですね。

そして、愛されるとは愛を受け取ると表現できますが、この愛を与えるということが実はそのまま愛を受け取るということになるのです。なぜそんなことが言えるのかは、いずれどこかで説明することになると思いますが、今はへえと思って聞き流しておいて下さい。

つづく