罪悪感

私たちは罪悪感について、普段深く語り合うということはあまりないかもしれないですね。罪悪感を強く感じてる人もいれば、自覚があまりないという人もいるはずです。

罪悪感というものをすごく簡単に説明するとしたら、過去の自分の言動において悔やんでいる思い、ということが言えると思います。

そして、通常罪悪感と共に、もっと分かりやすい表現でいえば、自己否定、自己嫌悪などの感覚も伴うのかもしれません。

一般的に、加害者と被害者がいる場合には、罪悪感とは加害者側の心の状態であるといえます。また、加害者ではない場合にも、罪悪感を感じることはできます。

例えば、決められたルールを守らなかった場合など、そこに被害者はいなくても自分はダメなやつだとして罪悪感を感じることがあるはずです。

罪というのは訂正することの出来ない過ちのことです。キーボードで文字を打ち間違えたら、デリートキーで文字を消して打ち直せばいいですね。これは訂正可能な過ちです。

しかし、人を殺してしまったら、これは訂正できるとはとても思えません。この感覚が罪の意識ですね。訂正できないので、罰が必要となるのです。

罪に対して罰を与えることによって、幾分罪悪感を減らす効果があるのかもしれません。ただ、罰によっても罪がなくなるというわけではないのです。

したがって、罪を犯したという罪悪感は、過去の言動への悔やんでる思いとして永遠に残ることになってしまうのです。

実際、大きな罪悪感を抱えてしまって、思い出すたびに心が深く沈んでしまうという状態で生活している方もいらっしゃるはずです。そういう場合に、思い出さないようにしてしまうこともあるでしょうね。

しかし仮に記憶を開かないようにしたとしても、心の中に罪悪感が沈殿していると人生が灰色に感じてしまうかもしれません。

人はどうしてそんな都合の悪い罪や罪悪感というものを持ってしまうのでしょうか?
何か深い理由があるとは思いませんか?

たとえどんなことがあったとしても、自分の罪をきれいさっぱり水に流してしまうことができれば問題はないはずですね。でもそうは簡単にいかないようです。

それが簡単にできないのは、自分が被害者の立場になったときに、その加害者の罪を水に流して赦すことが簡単にはできないのと同じと言っていいと思います。

自分の犯した罪も相手の犯した罪も基本的には同じです。片方は赦せて片方は赦せないということはないはずです。それはなぜかというと、両者は全く同じものだからです。

つづく