感情は選択できる

普段私たちは、毎日様々な感情の渦の中で暮らしています。一人でいて寂しい思いをしてみたり、悲しくなってみたり、人の言動に腹を立てたり、嫉妬をしてみたり、不安や恐怖に押し潰されそうに感じてみたり。

そういうことがなくなって、波が少しもないきれいな鏡のような湖面を思わせる心でいつもいられたら随分といいですね。人によっては、ちょっとのことですぐに怒り出す人がいるかと思えば、いつも穏やかで怒ったところを見た事がないというような人もいますね。

このような辛い感情を感じたいと思っている人は誰もいないわけで、できれば愛に満ちた平安な心で毎日過ごしたいわけです。

それにもかかわらず、何かにつけて我々は不安を抱いたり、ちょっとしたことからイライラして攻撃的になったりと忙しいわけです。

もしも、辛く苦しい感情を発生する代わりに、いい感情、気持ちいい感情が出てくるようにできたら人生はとても生き易くなりますね。というより、それが本当に可能になったらこの世界はユートピアになるはずです。

でも感情というのは放っておいても胸の上につきあげて来てしまう、ある種の情動であるわけですから、意識的にそれを変えることはできないのではないかと一般的には思われています。

しかし、工夫次第でかなりのレベルまで、自分の感情を選択することが可能なのです。感情を選択するというよりも、感情に飲み込まれないようにすることができると言ったほうが適切かもしれません。

気をつけなければいけないのは、発生してしまった感情を抑えるという意味に解釈しないようにして下さい。それはただの我慢になってしまいます。これは最悪ですから。

そうではなくて、感情が発生する前に、何らかの手を打つ方法を考えるということです。感情そのものを発生させなければ、無理したり我慢するようなことをせずに心の底から穏やかな平安な気持ちでいられるのですから。

例えば、怒りに焦点を当てて考えて行きたいと思います。

つづく