死について

私はずっと長い間、死んだら目が覚めるのではないかと思っていました。

幼い頃に高熱を出して、夜布団の中でうなされて、そして朝目が覚めたら母や父がそばで自分を見ててくれて、「よく寝てたね、熱も下がったからもう大丈夫だよ。」って言ってくれた、その時のイメージとすごくダブるのです。

寝てる間に何だかひどい目に遭っていたようにも感じるんだけど、でも目が覚めたら自分はしっかりと見守られていて、愛を感じ、いやな夢から抜けられて気分もよくなっていて、何て嬉しいんだろう。そんなイメージです。

だから心のどこかで早くこの面倒くさい人生が終わらないかなあと思っていました。だって終わったら夢から覚めてとても心地いい場所に戻れると思っていたからです。

ところが、「奇跡のコース」と出会ってから、全くそうは思わなくなってしまいました。コースでは、死んでもこの現実という夢から覚めるわけではないと説いています。

我々は生きていても、死んだ後も全く同じ一つの夢の中にいるということです。自分が夢から覚めるためには、聖霊と共に生きてできるだけ純粋な愛の心を取り戻すことがどうしても必要なのです。

なので、早くこの人生が終わらないかなあという気持ちはなくなり、その代わりに今生きている間に出来る限り、愛を取り戻したいと思うようになったのです。

それまでは明確な生きる目的というものもなかったですし、この世界での自分の役割などというものはないと思っていました。だから死がすべてを解決するものと思っていたのです。

今では死によって何も解決することはないということがはっきり分かったのです。死は生きること以上に幻想でしかあり得ないと感じるようになりました。

自分の本当の姿はスピリットなんだということを思い出せば、人間として生きたり、死んだりすることはあまりにも物質的な錯覚でしかないということです。

みなさんはどう思われますか?