過去と未来 その2

昨日の続きです。

過去も未来も見ないで、今この瞬間だけを生きると、とてもすばらしい心で過ごせるのかもしれないけれど、でもどうやったらそんなことができるのかが分からないですね。

だって、過去は確かにあったし、未来も必ずやってくるのですから。でも誰でも今だけを見ているという過ごし方をしたことが必ずあるはずなのです。

それは例えば、何かに熱中している時、テレビや映画を観ながら、その中に引き込まれてしまっている時などはまさにそういう状態です。本を夢中になって読んでいるときも時間を忘れてしまいますね。

無邪気な子供時代はまさにそういう時間が沢山あったはずなのです。特徴はすべて時間の経過のことを忘れることや、過去と未来のことも忘れていることです。更に付け加えると、身体に関する感覚もかなり薄れてしまうようです。

身体の体勢を全く動かさずに長時間ゲームに熱中していた時、終わって立とうとしたら足が痺れていて感覚が全くなくて立てなかったという経験なども同じものですね。

以前、友人がそのお祖母さまが亡くなる直前の床で、「一生はあっという間に過ぎて、まるで幻のようだったよ。」って言われたのを聞いたそうです。自分はこの話を聞いたとき、すごく納得した記憶があります。

実は今でも自分の過去を本当にあったものかどうか、すごく疑わしい感覚があるからです。どういうわけか、幻想のように感じてしまうのです。

過去は幻想だというのはやはり乱暴かもしれませんが、過去に殊更価値を見出さないでいることはできるはずです。過去のあらゆることは、実は取るに足らないどうでもいいことだという感覚が大切なのです。

過去にこだわりを持ち続けると、現在を一番いい状態で生きることがとても難しくなるし、未来も大きくその影響を受けてしまいます。

出来る限り、過去はないものとして今この瞬間から生きていくようにしてみることです。今この瞬間しかない、過去はすべて夢のようなものとするのです。

そうすれば、過去のいやな出来事、いやな奴、理不尽な思い、苦痛の時間、そういったものから開放されるのです。

そうすると、必ず、過去はなかった、いやあってもなくてもどっちでもいいや、という心境になってきます。記憶はなくならないのですが、ボーっとしたものに思えてきます。

いつか見た夢と同じくらいに曖昧なものに思えてきたら、今日生きるエネルギーを過去に奪われずに済むようになります。それを全部今につぎ込むことができるのです。