全体、あるいは「すべて」という概念は、無限でなければなりません。なぜなら、「すべて」というものが有限であるとしたら、その限界の外側というものを意識しなければならなくなるからです。
従って、「すべて」ということは限りがなく、ありとあらゆるものを包含するということ、「すべて」に含まれないものはないということです。
当たり前と言えばそうなのですが、しかしよく考えてみると私たちには、この「すべて」の正体である無限ということが本当には理解できません。
なぜなら、自分という存在を有限のものだと信じているからです。有限である自己が、無限について理解するということは原理的に不可能なことです。
従って、私たちが理解しうる無限とは、有限のものが沢山集まった末にあるものだという明らかに間違った概念に基づいているとも言えます。
私たちは心情的にも、無限は困ると思っています。もしも宇宙の広さが無限だとすると、それは本当に理解を超えてしまうことになるのです。
しかし、そのくせ有限のものについては、やはりその限界の向こうがあるはずだから、それは「すべて」ではないということも分かっています。
このようにして、私たちのマインドの中ではどうしようもない矛盾が生じているということです。何かがおかしいと結論付けざるを得ません。
何がおかしいのか、それは最初に戻って自分を有限の存在だと信じてしまったことにこそ、元々の矛盾の原因があると考えるのが順当です。
ということは、自分を無限の存在だということに気づくことができれば、矛盾を抱えて苦しむこともなくなるわけです。
そしてそのことを本当に思い出すことができたら、有限という概念には何の意味もないということにも気づくのかもしれません。
真の自己を見ると、それはいつも自分が無限であることを教えてくれるように感じます。その感覚を疑わずに、より明確に浸ることができるようになりたいものです。