セッションに来られるクライアントさんには、それこそ様々な方達がいらっしゃいます。ごく一般的な方もいれば、芸能界で活躍されている方や、実業家として成功されている方、あるいはニートや引きこもりの若者など。
けれども、彼らに共通する特徴が一つだけあるとしたら、それは「敏感体質」ということです。過敏というか、神経があまりにも繊細過ぎるといった表現もできるかもしれません。
そのような敏感体質で生まれたならば、確実に平均的な幼児に比べて心が傷ついてしまうのは当然のことですね。感じなくてもいいような周りの人の気持ちも、ドシッと感じて苦しくなってしまうのですから。
まだ自分という自覚が曖昧な幼いうちに、家族のネガティブなエネルギーを感じてしまうと、それを自分のせいにしてしまうのです。いやな感覚を自己否定感へと直結してしまうのです。
どれほど家族が愛に満ちていたとしても、そうしたことは起きてしまいます。幼いころの独りよがりというのは、半端ではないからです。
そうして、いつしかそんなダメな自分を心の奥深くに葬ろうとして、激しい自己防衛が開始されてしまうのです。嫌われて見捨てられないようにと、考え付く限りの自己防衛の手段を実行する毎日になります。
その成果は、見捨てられないことで一瞬の安心を得るというだけで、その裏ではひどい自己犠牲を毎日知らず知らずのうちに蓄積していってしますのです。
そうやって作り出した自己防衛の作戦が、実は大人になっても本人をしっかりと牛耳っているからこそ、人生が苦しくなったり生きづらいという感覚になったりするのです。
そして、頑張りすぎることでやる気がなくなったり、身体がだるくて動けないといった鬱的症状がたまにやってきたりするようにもなります。
子供のころに作りこんだ自己防衛をいつまでも引きづることがないようにするためには、それを続けていることに本人が気づかなければなりません。
それと同時に、子供のころの自分がなぜ自己防衛せざるをえなくなったかを、現在の自分がしっかりと顧みてあげることがどうしても必要となります。
それが、癒しです。癒しはとてもシンプルなのです。過去から逃げるのをやめて、ただ過去の自分と一緒にそのときの気持ちを見てあげることです。
癒しがある程度進んでくると、それまでの敏感体質で生まれてきたことを恨む気持ちに変化が出てくるはずです。なぜなら、その敏感さこそがあなたの人生での大切な宝物であったことに気づくようになるからです。
あなたがその敏感さを自分のためではなくて、誰かのために使うようになれたとき、人生には一つの無駄もなかったのだと理解することになるはずです。
誰の人生も捨てたものじゃないということです。たくさんの「みにくいアヒルの子」を見てきた実感です。