親の一方的な愛情は、子供にとっては、人格否定になってしまうことがあります。というのも、そういう親の偽りの愛は、言ってみれば飼い主とペットの関係のようなものだからです。
親は自分にとって都合のいい子供の状態だけを可愛がり、飼い主の手に噛みつくペットを叱りつけて、徹底的にコントロールしようとするのです。
子供の方はと言えば、そのマインドによって親からの愛情を理解し、自分はこれほど愛されているのだと頭で判断することになるのです。
けれども、その一方ではハートでどうしようもない愛の欠如を感じてしまうのです。その矛盾が本当はどういうことなのかに気づくことができずに、もだえ苦しむことになるのです。
愛されていることに対する親への感謝と同時に、自分のままではダメなのだという決定的な絶望感に苛まれるのです。それも人知れずに…。
そんなクライアントさんがいらっしゃると、本当は親に愛されていなかったということを納得してもらうのに、相当な時間と労力を必要とします。
けれども、いずれは真実を発見することになるのです。それは、とても苦しい認めがたい事実ですが、それを認めることによってしか、癒しを進めて行くことができないのです。
実は、親自身がそのように育てられたという事実を知れば、納得しやすいのかもしれません。愛は、その対象がどれほど幼い子供であっても、その存在に対する尊重があるのです。
存在の尊厳への感覚、それが欠如した愛情は偽物であり、子供はそのような愛を受け取ることはできないということですね。
自分は親に愛されていたと思っているあなた、それがマインドでの理解なのか、ハートによって感じていることなのか、よく見分けて見ることですね。