ありのままを見るということは、よく言われているようにとても難しいのです。というか、ほとんど不可能と言っても間違いではありません。
なぜなら知覚を通して取得したあらゆる情報を、マインドが横取りして勝手な解釈やら色付けやらをして、自分流にアレンジしてしまうからです。
問題となるのは、そのアレンジしてしまったことに気づくことなく、あるがままを見て聞いているのだと勘違いしてしまうこと。
思考はあらゆる思い込みを作り出して、自分にとって都合の良いように解釈をし続けるのです。
私たちが共通してやらかした最大の思い込みは、私は個人だという思いです。その思考があまりにも強烈なので、個人として生きている感覚まで作り出したのです。
その思い込みがベースとなって、それ以外のありとあらゆる思い込みが連鎖的に作られてしまったのです。
こうなると、どれが真実でどれが思い込みによって創作されたものかを識別することはとても難しいのです。
親兄弟や社会全体から教え込まれた様々な事柄も、それが正しいことだとの思い込みを生み出したのです。
そのようにして、私たちの人生は思い込みのオンパレードと化したのです。その一つひとつを丁寧に解いていって、できれば中立な生に戻すことができたら良いなと思います。
そのためには、日頃から瞑想的である時間を持つこと。思考に巻き込まれることなくそれを見続けられたら、生の全貌が露わにされるのでしょう。