「実体」という言葉(概念)があります。この言葉の意味について、明解に説明することってできるでしょうか?
ネットで意味を調べると、「すべての存在の基本に、これを支えるものとして考えられる基本存在のこと。」とあります。哲学用語らしいですが。
基本存在とか言われても、ちょっと分かりづらいですね。もう少しわかりやすく説明しようとするとどうなるか。
実体とは、「現実に、あるいは現実の中でモノが存在するさま」これなら分かりやすいと思います。でも逆に今度は、現実という言葉を説明する必要が出てきました。
現実とは、「モノが実体として存在している世界」てなりますが、これで本当に説明になっているでしょうか?
つまり、Aさんの説明をするときに、AさんはBさんの友達ですって言っておいて、じゃあBさんは?と聞くと、BさんはAさんの友達です、というのと同じ。
ということになって、まったく説明にはなっていないわけで、結局やっぱり冒頭のネットの哲学的な説明になってしまうんですね。
物事を空想したり想像したりできるのは、どうも人間だけらしいですね。つまり簡単に言えばイメージの世界です。
このイメージの世界では、モノの実体はないと言えます。その一方で、現実の世界では、モノは実体を伴うということ。
ということになると、私たちは現実の世界においては、モノは必ず実体を伴って存在するものだと思い込んでいるのです。
これが思い込みだったとやっと気づきましたか?目の前のりんごに実体があると言い張るなら、それをどうやって証明できるかを考えてみることです。
すぐにできないことが判明してしまいます。このように見てくると、「実体」という概念はどこまでいっても概念止まりだってことになります。
モノには実体があるということこそが、イメージだったというわけですね。
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