何も知らないし、誰もいない

知ってると思い込んでいたことが、実はまるっきり知らなかったと気づいてしまうと、もう諦めしかないですね。

そして、知っていることは何もないということになって、これはもう赤ちゃんと何も違わないということ。

知っていると思っていたことは、思考によって作り込んでいただけ。それはそれはリアルな感じがするので騙されるのです。

逆に、実体のないこの世界で何か知り得るものが一つでもあるのかと考えると、そんなものは全くないということになるのです。

何も知りようがないということを新たに知ったということでもあります。それで最後はここに戻ってしまいます。

つまりは、何かを知ることができる誰もいないということ。誰もいないのに、幻想は起きた感じがあるということです。

苦しみも喜びも起きてくる感じだけはあるのですが、当然そんなのは誰のものでもないということなので、安心ですね。

ないものとないものを比較してみたり、いない人といない人を比べてみたり、そのバカバカしさは相当なものです。

善も悪もないし、正誤もないし、新旧もないし、過去未来もない。今ここに生きるというけれど、今もここもありませんね。