内側と外側にはどんな境界もない

五感と言ってしまうと、どうしても自分の身体の内側で感じるものという先入観がついて回るのですが、次のようにそれらを分解してみるとどうかなと。

もしも形や大きさなどに捉われることなく、周囲を見てみることができるなら、きっと視覚というのはざっくり言えば明るさと色ではないかと。

そうすると、私たちが感じていることといえば、明るさ、色、音、匂い、味、それと体感ということになりそうです。

体感を除くと、それ以外はどこにその感覚が根ざしているのかはかなり曖昧な感じがしてきませんか?

そうです。体感以外の感覚に場所はないのですね。さらに言えば、自分のこの身体だと思い込んでいるものにくっつけてしまった所有という概念に気づけばいいのです。

そうすると、体感すらどこに由来するものかが分からなくなってしまいます。そうしてみると、全ての感覚には場所がないなと。

この気づきってすごいことだと思いませんか?長年信じて疑わなった自分の五感の起こる場所。もうそれに騙されずにいられるのです。

これで晴れて自分がいなくても、この肉体が幻想であろうとも「これ」の中に感覚も一緒に入り込んでしまいますね。

外側にあると信じていた全てのものと、内側にあると信じていたあらゆる感覚も、どんな違いも境界もなくただこれとしてあるのですね。