概念の海の中で生きている

目の前にあるモノをリンゴだと認識するまでに、私たちの脳ではどんなことが行われているかという話をしたいと思います。

実は左脳の中には、概念データベースというものがあるのです。生まれた時から今に至るまでずっとそのデータベースをアップデートし続けているのです。

特に幼い頃に、親などからこれは◯◯、あれは◯◯、のように学んでいきながら、リンゴという名前のオブジェクトとしてデータが蓄積されるのです。

これが概念データベースです。そして、目の前にある何かを見た時に、概念データベースの中を検索しに行くのです。もちろん無意識ですが。

そして、もっともマッチングしたものをソレと認識するわけです。そして、あろうことかマッチング第一位になった脳内の情報を、現実のものとしてしまうのです。

その結果、実際にリンゴという実体があると断定するのです。このように見ていくと、社会生活を営む上では概念は非常に大事であることがわかります。

だから、概念を無くそうなどということを考える必要はありません。単に、概念を使っているということに気づくことです。

そして、概念を脇に置いておくことができればいいのです。そうするとたった今あるこれだけが全てだということにも気づけるようになるのですね。