非二元の話をする時には、我々の五感の感覚は全て現れとして起きているというように表現することにしています。
例えば、床屋さんに行って髪を切ってもらうときに、髪を切られている体感と、その時に聞こえるハサミの音とがうまく連動しているように感じます。
けれども、何かの現れとまた別の現れとがうまく連動して現れるなんてことはないはずと感じるのですね。
髪を切ってもらいながらも、その不思議を感じていたのですが、これはきっと連動して起きているのではないなと。
単に、髪を切ってもらうことによる体感覚と髪を切る時のハサミの音とを別々の現れだと勝手に思い込んでいたということ。
つまり、それはバラバラの現れではなくて、一つの現れに過ぎなかったのではないかなと。そう思うと辻褄が合うのです。
五感のうちでも、視覚や聴覚と触覚、あるいは思考や感情と体感覚などを違う種類の現れだと勝手に解釈していただけなのかも。
こういった思考による思い込みはかなりしつこくて、あらゆる体験をその瞬間の一つものとして捉えることが難しいのですね。