思考実験をしてみる その2

今回は、「〜な気がする」という経験について思考実験を通して検証してみたいと思います。この種類の経験は、その経験が五感を伴わない曖昧なものであることを示しています。

前回のブログで書いた思考実験では、モノの実体を経験していないことを検証しましたが、まさしくリンゴの実体があるような気がする、ということが起きていただけだったのです。

たとえば、過去のある記憶を思い出して、「〜だったような気がする」のように感じる場合があります。

これは思考によって、記憶をイメージとして捉えているため、直接の経験ではないのです。直接の経験に留まるなら、今この瞬間の明確な経験があると分かります。

あるいは、今この瞬間の経験であったとしても、五感を伴わないようなものは、やはり直接の経験ではないのです。

たとえば、自分はこの身体の中にいるような気がする、という場合、その感覚が思考によって作り出されているのです。

そのため、直接の経験のような明確さがなく曖昧な状態のままなのです。ただ、どれほど曖昧であろうとも私たちはそこに強い思い入れがあるので、それがリアルではないと気付けないのですね。

これ以外にもたくさんの「〜な気がする」を日々経験しているので、ぜひ同様の検証をしてみてください。そのどれもが、直接の経験ではないことが明らかとなるはずです。

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こちらの動画もぜひご視聴ください。