思考実験をしてみる その3

今回は、身体からやってくるあらゆる感覚についての思考実験を試してみたいと思います。

例えば、頭が痛いという経験をした時のことをリアルに思い出してみてください。私たちは自分の頭のどこかの部分に痛みを感じていると思うのです。

ところが、直接の経験に留まってみると、実際にはその不快な感覚という経験が起きているだけなのです。

その感覚には、頭という身体の部位と紐付けするどんな情報もありません。つまり、この頭痛というのは直接の経験ではないということ。

本当は、昨日のブログで説明した、あたかも頭が痛いという気がしているということに過ぎません。

あるいは、自分の肘の部分をもう一方の手で叩いて、叩かれている肘の感覚が起きていることを経験してみるのです。

この体験にもたくさんの思考による答えが混じってしまいます。自分の肘を手で叩く、というのは全てが思考による想像です。

直接の体験に留まると、なんらかの感覚がただ起きているだけに過ぎないし、その感覚が身体のどことも紐づいていないと気づくのです。

この実験は難易度が高いように感じます。というのも、私たちは自分の身体がその感覚を作り出しているという根強い思い込みを持っているからです。

根気よく、繰り返してこの思考実験をしてみてください。いずれは必ず、感覚には場所がないということに気づくようになるはずです。