諦めれば解放される

私たちは、何かが自分の望み通りにいかない時に、しばらくジタバタするのですがそれでもどうにもならないと悟った時に、「もう諦めた」となるのです。

こうしたことは、誰でも何度か経験したことがあるはずです。ところが、この「諦めた」というのがかなり怪しいのです。

クライアントさんとのセッションの中で、クライアントさんのこれまでの人生をご一緒に振り返っているときに、何度も出てくるこの「諦めた」。

側から見ていると非常によくわかるのですが、本当には諦めていないだろうなと。本人は気づかないのかもしれませんけれど。

ご本人は、本当にもう諦めたと決着がついたことにしているのですが、心の深いところでは本当にはまだ諦めがついてはいないことが多いのです。

それが私たちが抱える苦しみの一つなのです。実は、100%諦めがついた事柄というのは、決して苦しみを温存することがないのです。

実際、過去の様々な出来事の中で、諦めていないことがどれだけあるかで、その人の生きづらさが決まると言ってもいいかもしれません。

心に少しでも引っかかっている過去があると感じるのでしたら、それは諦めがついていない証拠だと思ってください。

そこに気付けたら、諦めるということを全力で実践することです。真に諦めがついたなら、その事柄が当人を苦しめることはできなくなるからですね。

本当に諦めているのかどうか、過去に遡って怪しい事象を再度見つめてみるといいと思います。諦めるとは執着を手放すことに近いですね。