A8

Q8:セラピーと宗教は似ているように思いますが?

Ans.8

 催眠療法などによる癒しは人の心を扱うものですので、これはつまり人の精神世界と切り離しては考えることはできないという点では、宗教的な側面があることは事実かもしれません。また宗教の定義が曖昧なままでは、誤解を生ずる可能性もあるのですが、セラピーが一種の宗教ではないかと感じる人の多くは、宗教は教祖への妄信的な依存があるものと捕らえている場合が多いのではないでしょうか。だとすると、そのような宗教と癒しとは全く対極にあるものと言えます。

 なぜなら、癒しは人に頼んで手に入れられるものではありません。苦しくても辛くても癒しへの道は自分で見つけることしかできません。セラピストができることは、共感して励まして、後ろからそっと後押しすることだけなんです。あくまでも自分が主体で進めていくときに、始めて癒しはどこからともなくやってきます。そこには、他人への依存というものはありません。人を信頼することと依存してまるごと言うとおりに行動してしまうことは全く違うのです。