幼い子供ほど、想像力が豊かだということをよく言われます。私が子供のころだと、男の子だったらロボット、女の子だったらお人形を使ってよく一人遊びをしたものです。
例えば女の子はお人形を自分の友達として名前がついていたりします。そして、空想の中でその人形があたかも話しかけてくれているように、二人で一緒になって遊ぶことだってできます。
彼女にとっては、そのお人形は本当の友達として成立します。それはなぜかというと、その人形も二人の会話もすべては彼女が作り出したことではあるのですが、彼女はそのことを忘れることができるからなのです。
自分の創作だということを忘れてしまえば、その間だけはリアルな友達との時間を持てることになるのです。その人形は女の子の心の中にいる友達の一人として生きるし、二人の会話もその子の心の中で作られた台本どおりに推移します。
しかし、その子にとってはその友達が急に自分に反抗するような態度をとってくることもあるだろうし、怒ってもう帰ると言ったりすることだってあるのです。
その子にしてみれば、仲良く遊びたいと思っているはずなのに、その友達とけんかしてしまう場合もあるでしょう。それもすべては彼女の台本のままです。
実は我々もその子と全く同じことを毎日繰り返しているといえます。そして同じように、自分の創作なんだということを完全に忘れるように自分を仕向けてしまったのです。
自分の周りにあるものすべては自分の心の作り物だということを忘れているので、この現実が本物のように見えているのです。
私たちは自分の心の中にある台本どおりのことを作りながらも、女の子がお人形の友達とけんかするのと同じように、周りの人とけんかをしてみたり、理不尽な目に遭ったりしているのです。
女の子がお人形とけんかをする理由と、私たちが周りの人たちといさかいを起こすのは全く同じ理由です。毎日繰り返している人生という一人遊びに気付いたら、楽しくて幸せになる一人遊びになるように台本を書き換えることですね。