本音と建前とをうまく使い分けられる人は大人だなと言われることがありますね。よく政治家が人前で演説するときなどは、建前ばかりでなかなか本音を出すことはないと思われています。
なぜなら、本音というのは往々にして自分を不利な立場に追いやる可能性があると思われているからです。だから、人は自分の本音をたやすく誰にでも打ち明けたりはしないわけです。
ただし、上記のような場合は自分の本音を本人が分かっているという前提でのお話ですね。しかし、実際にはほとんどの人が自分の本音を完全には自覚できてないのです。
我々は、本音だろうが何だろうが、自分にとって都合の悪い考えや気持ちなどは自分自身にも気付かないように用心深く心の奥にしまい込んでしまうのです。
そうやって隠された本音というのは、自分ですら覚えがないのですから、他人には全く知られずにいることが多いのです。
ところが、隠された、あるいは言葉を変えると抑圧された本音というのは、いつまでも静かに心の奥にしまわれたままでいたいとは思っていません。
いつか、チャンスさえあれば心の外に飛び出して、本人にその本音の存在を知らしめてやりたいと思い続けています。
心の癒しを進めていくと、そういった隠された本音が何かのきっかけによって表面に出てくることがあります。特に、あるがままの自分を許すことを繰り返しているうちに、ふいに抑圧する力が弱まったときに浮き上がってきます。
それは本人にとってもびっくりする体験になるはずですね。ああ、自分はこんな本音を抱えていたんだなと、新たな自分を発見することになるわけです。
そしてその体験を通して、実は今までどうしてもうまく行かなかったことが、急にできるようになったり、気になって仕方なかったことがどうでもいいと思えるようになったりします。
何かつき物が落ちたみたいな感じかもしれません。とにかく、本音を知るということは、形があろうとなかろうと、自分が自分でいることがとても楽に感じられるようになります。
みなさんも、自分の知られざる多くの本音を知って、気持ちよく生きれるようになりたいと思うのでしたら、自分を許すということを毎日地道に実践することです。
きっと長年の便秘が解消されたような気持ちよさを感じることができるはずです。実践あるのみですね。