今まで沢山のクライアントさんとご一緒に、心の癒しを進めさせていただいて来ました。それはもう、ありとあらゆる問題についてつぶさに向き合ってきたと思います。
そうした多種多様な問題には、直感的にとても大変だと思えるものから、それほどの大問題でもないと感じるものまでありました。
そして、当然大変だと思われるような問題こそ、改善していくのに相当の努力や時間が必要になるだろうと予想するわけです。
ところが、実際にセッションを重ねていくと、私のそうした予想がいつも当たるとは限らないのです。すぐに改善されるはずと思っていた問題がいつまでも続くことがあったり、その逆に深刻な問題と見えるものがあっという間に改善するということもあるのです。
なぜそのように、私の予想通りには癒しが進まないのかということを考えてみると、実は問題の解決、あるいは改善の鍵となるのはその問題の深刻さではなくて、クライアントさんご本人の心にこそ大切な要素があると気づいたのです。
癒しというのは、ある意味それまでのクライアントさんが信じてきたこと、あるいは生き方、考え方というものを変えていく必要がどうしてもあるのです。
従って、深刻さが大きいときには、それだけご本人は追い詰められているために、それこそなりふり構わずに私のセラピーに賭けてくださるのです。
本当は、今までの人生で信じてきたことなどを、他人である私にこうして下さいと言われただけで変えるということはとても難しいことですね。
でも切羽つまると人はとても大きなエネルギーを使うことができるし、また硬くなっていた心を柔らかくして、目新しい考え方などに順応させようとするのです。
それこそが、癒しを進める原動力であるし、もっとも大切な鍵となることだということです。心が柔軟な状態であれば、それだけ受け入れる能力が高くなるということですね。