誰もがみな演技者

昔から、あこがれの芸能人のうちでも、特別な存在に感じていたのが俳優さん、あるいは女優さんの存在かもしれません。

それは、きっとすばらしい演技を見て、自分には到底素の自分以外の誰かになるなんて、とてもできないと感じていたからだと思うのです。

けれども、よくよく考えてみると、私たちは日々の生活の中で誰でもある程度の演技をしているのです。

テレビの街頭インタビューなどで、マイクを向けられた素人の人たちが、何かを答えた後笑ったりするのをみると、ああ無自覚に演技しているなと分かるのです。

「給料は上がらず、アベノミクスの効果がまったく感じられなくて、困っている」などと言った後、わざわざ笑ったりするのですから変な話しなのです。

若い頃に、自宅から徒歩で行ける会社に勤めていたことがあったのですが、新婚の自分は家を出てから歩きながら、少しずつサラリーマンの顔に変身していく自分を感じていました。

会社の近くまで来て、道で一緒になった会社の人とあって、おはようございます!と挨拶を交わした瞬間に、もう自宅でデレデレしていた自分はいなくなるのです。

会う相手や状況に応じて、それに相応しいと思われる自分を作っているのです。それも、ほぼ無自覚のうちにやってしまいます。

ある程度は仕方のないことなのですが、そうした演技、あるいは「フリ」が限度を超えてしまうと、私たちはひどく疲労するようになってしまいます。

そのことに注意をむけてみてあげてください。そして、一日のうち必ず数時間はできるだけ素に近い自分で誰かと過ごせるように心がけることです。

自分の中にある無邪気さと繋がる時間を大切にすることですね。

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