症状を見ていても問題の本質には気づけない

セラピストになって、まだ2〜3年くらいの頃、難しい症状をお持ちのクライアントさんとのセッションで悩んだことがありました。

それは、いわゆる強迫性障害とか、恐怖症などと呼ばれるような症状なのですが、その症状を緩和することさえできればいいのですが、セラピストとしてはその原因を知りたいと。

クライアントさんによって、具体的な症状は様々だったので、その症状ごとにどういった原因があるのかを検証しようとしたのです。

ところがその途中で、あることに気づいたのです。ああこれは、症状そのものを追及したところで、そこには意味がないなと。

要するに、そういったご本人にとって甚だ困ってしまう症状がやってくることで、人生を快適で気持ちの良いものから遠ざけることが目的なんだなと。

そう気づいた時に、これは私がずっと言い続けている「問題行動」(問題視してもらうための行動)の一種なのだなと分かったのです。

それが理解できたので、あとはもうずっと文句を言い続けているインナーチャイルドがいると、ご本人が気づくことが大切なのです。

その不満が解消されない限り、本人を幸せにしてはならぬ、と訴えているのですから。個別の症状をどれほど検証してみたところで、問題の本質には近づけないわけですね。