何が真実なのか、全く分からない

私たちが日々体験していることって色々あるのですが、身体に関して言えばそれは五感を通してやってくるのです。

それにプラスして、思考、感情、気分などの精神的なものもやってきます。特に、思考は非常に多岐にわたっています。

概念とか、観念、あるいは信念、イメージ、そして記憶の多くも思考が操っているのですから、思考まみれといってもいいかも知れません。

そうした思考を頼りにするのをやめてみると、それだけでかなりこの世界を違った感覚で見ることができるのです。

ただ、実際に概念や観念を抜きに見るなんてことは至難の技です。例えば、部屋で1人静かに坐って目を閉じます。

その状態で残っているのは、身体からやってくる様々な感覚だけですね。けれども、その感覚が身体のどこからやってくるのかはイメージに過ぎません。

自分が今部屋の中で坐っている、というのも目を閉じた瞬間から単なるイメージでしかないということに気づくでしょうか。

そのようにして見ていくと、確実に分かっていることなんて一つもないということに気づくことになってしまいます。

実は何も分からない。理解というのは思考によるものなので、思考を抜きにすればどんな理解もやってきません。

そして自分は身体の中にいるというしつこい感覚さえも、実際にはイメージに過ぎないのです。それを証明することができないからです。

これは困ったことになりましたね。全ては曖昧なものであって明確なものなど一つもない。理解もできない。

これこそが本当のこと。それが起きていることなんですね。