ここのところ「実体」という概念について、いろいろ考えているうちにこれまであまり思ったことがなかったことに気づくようになりました。
たとえば、人間以外の動物には概念というものがないはずなので、彼らには見たり触れたり食べたりする対象物に実体があるかないかなどは眼中にないのです。
どちらであろうと変わりはないということですね。実体があってもなくても同じってすごいことかなと思うのですが。
でもそれって人間である私たちに対しても同じことが言えるんですね。実体があろうとなかろうと、体験としては同じなので。
それと、「実体」ってどうも時間との関係性があるのかなと。つまり、実体があるということになると、一定の時間内で継続して存在するということを意味していると。
もしも時間がないとなると、そもそも実体という概念にどれだけの意味があるのかがわからなくなってしまうのです。
それと客観性というのも関係がありそうです。つまり、実体というのは主観的なものではなくて客観的な実在性を意味するからですね。
これって科学の世界はまさにこれです。そう考えると、やはり実体というのは人間が作り出した単なる概念でしかないということになりそうです。
科学がいずれ近い未来において、ものには実体がないということを証明してしまったとしたら、科学者はびっくりするでしょうね。
けれども、それでもきっと一般人はへえそんなもんなのかあ、で終わりにしてしまうのではないかと思うのです。
だって、アインシュタインが相対性理論を発表してからもう100年も経つのに、時間の進み具合や質量などは相対的なものだと、誰も気づかずに日常を過ごしていますからね。