視覚のトリック

あるがままを見ることがいかに難しいかという話をします。なぜ難しいかというと、生まれた時からずっと概念や観念や先入観などを混入させてきたからです。

その方法の根底にあるのは、自分の周囲には空間があって、その空間の中に自分も含めた様々なモノがあるという発想です。

何を見るにしても、この大前提がまずあって、その上でそれぞれがどうなっているのかなと観ているわけです。

たとえば向こう側に壁があって、少し手前側にテーブルがあって、一番近くに自分が腰掛けているソファがあると。

このような空間的な位置関係を疑うことができなくなってしまうのです。また、テーブルによって隠された空間の向こう側にも何かが存在していると勝手に思い込むのです。

けれども、そのような空間的な大前提を使わないようにして見てみると、テーブルによって隠された何かがあるという発想も消えてしまいます。

同じようにして、自分の身体が常に視界の一番こちら側に位置しているという認識もなくなってしまうかもしれません。

まるで遠近感のない一つの絵画を目にしているという感覚になってしまいます。そして、これこそが空間とモノという勝手な見方から抜けた瞬間なのですね。

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