ウパニシャッド(バラモン教の奥義書)に次のような一節があるということです。「神は感覚に外を向かせた。そこで人間は外を見るようになり、内なる自己を見なくなった。だが時おり勇気ある魂が永遠の生を願い後ろをふりかえって自己を見出してきた。」
外側にばかり注意を向ける代わりに、内側に意識を向けるようにしましょうというのは、これまで散々お伝えしてきたことでした。
それはそれとして、今日お伝えしたいことは意識を向けるということではなく、リアルに内側をこの目で見ようとするのです。
そうすると、外側に見ていた景色と同じものが内側(反対方向)にも見えることに気づくかもしれません。
そのことで、自分はこっち側にいるということが間違いだったと気づくのです。どこにいるわけでもなく、敢えて言えば見えているものの中心にいる。
言葉を変えて表現すれば、見えているものそのものになってしまう感じがするかもしれません。これが視点がなくなる感覚です。
子供の時にダイレクト感がなくなったと感じたことがあったのですが、きっとこっち側(頭の中)から外を見ていることにしてしまったからかなと。
この視点が消える感覚になると、なくしてしまっていたダイレクト感が少し戻ってきたように思われるのですね。