二元の世界は理不尽なもの

今年建て直した我が家は、いわゆる「オール電化」というもので、必要なエネルギーを全部電気、電力でまかなうわけです。

この電気というのは、電圧がかかった経路を電流が流れることによってエネルギーを発生させるもので、電流というのは電子の流れです。

この電子はマイナスの電荷を帯びていて、プラスの電荷に引き寄せられるのです。小学生の時に、電池の実験をしたと思います。

そして不思議なことに、マイナスの電荷とプラスの電荷が結合すると、電荷はゼロになってしまうのです。

逆に言えば、何もないところからプラスとマイナスへと分離させることができると。これって不思議じゃないですかね?

これぞまさしく二元性の代表みたいなものです。どちらか片方だけでは存在できないのです。二元なので必ず対極のペアで成立するわけです。

もしも、「低い」がなければ「高い」という概念は存在できませんし、「暗い」がなければ「明るい」も存在できないのです。

「見る側」と「見られる側」のペアによって初めて「見る」ことが起きうるのです。もしも見る側がなければ、見られる側も存在しませんし、その逆も然り。

あなたに見られるモノがなければ、見る主体としてのあなたの存在もあり得ないということになってしまうのです。

これって、真剣に考えてみると分かるのですが、相当に理不尽極まりない世界ではないかと思うのです。

だからこそ、本当のところはその両者はともに存在していないということ。そして残るのは、「見る」という感覚だけなのですね。