私たちは気がつくと、自分の身体の外側に広がっているこの世界をありのままに体験していると思い込んでしまっています。
清々しい風の感触をありありと皮膚感で味わうことができるし、美しい景色をそのままに見ることもできるし。
海に行けば、潮騒の音をずっと聞いていられるし、芳しきワインと美味しいご馳走を堪能することもできるのです。
また大好きな人たちとの会話を楽しむこともできます。だから、思い描いている通りの世界が外側にあると信じて疑いません。
けれども、本当はどうでしょう?私たちが知っているのは、全て肉体の五感を通して認識した情報だけなのです。それが世界を認識するということなのです。
つまり、全て「間接的」にしか知ることができないのです。こんなごく当たり前のことを普段は忘れてしまっています。
私たちが知っている世界というのは、全て脳の中にしか存在しないものです。つまりは仮想的なものでしかないということです。
たとえば、外の世界に色というものは存在しません。どれほど極彩色豊かな景色だとしても、その色は脳の中にしかありません。
わかりやすく言ってしまえば、あなたが認識している世界とは自分の脳の中にしか存在しないものだということです。
ここまでは、非二元を持ち出さなくても理解することはできます。非二元の話を理解しようとする前に、このことをまず分かっておく必要があります。
ただし、もちろんこの話の延長上に非二元があるという訳ではありません。要するに、知っているということの危うさにまずは気づくと。これがどうしても必要なんですね。