脳が創り出す世界

私たちの共通認識としてあるのは、自分の身体の内側が自分自身であって、身体の外側には広がりのあるこの世界があるのだと。

ところが、外側に広がる世界を直接見ることは誰にもできません。私たちが体験できる世界というのは、あくまでも脳の中で作られた世界だけ。

感覚器官が取り込んだ生データを脳が解釈して、きっとこんな世界が広がっているのだろうという予測を元に勝手に作り込んだのです。

その脳の中の仮想世界を本当の世界だと思い込んで生きているというのが実情なのですね。じゃあ一体全体本当の世界とはどうなっているのか気になりませんか?

すぐに分かるのは、この世界には色というものはありません。色のない世界がどれほど味気ないものか、想像もできないほどですね。

それから、3次元かどうかも分かりません。なぜなら、我々の眼球に入ってくる情報は2次元だからです。

脳がそれをどうにかこうにかして、奥行きのある3次元の世界として感じられるように変換してくれているのです。

そう思うと、ちょっと不気味な感じがしてきます。それから外の世界には、音というものも存在しないのです。

えっ?と思うかもしれませんが、音というのは私たちの脳の中にしかありません。雷が落ちようが、強風が吹こうが、新幹線が間近を通ろうが、音はありません。

ま、想像しない方が無難ですね。