その昔、父親が生きている頃に言っていた言葉があるのですが、それがとても面白いのでちょっと紹介します。
彼曰く、「蚊っていうのはバカだな〜、刺しても痒くならなければこれほどムキになって殺されることもないのに」と。
ああ確かになと思ったものです。顔のあたりをブンブン飛ばれるとうるさいので、嫌ではあるけれど、何よりも問題なのは刺された後のあの痒み。
だから、刺されてもただ皮膚が赤くなるだけであれば、それほど嫌われることもなかったはずなのです。
今身体のあちこちに湿疹のようなものができていて、痒くて仕方ないのですが、ちょうど蚊に刺されたときのような痒さなのです。
それで、ス〜としてその痒さを感じられなくする塗り薬のようなものを患部に塗布して、その痒さをしのいだりしています。
その時に不思議だなと思うのですが、痒みとスーッとする感覚を混ぜただけで、痒みを感じなくなるわけです。
その両方を感じても良さそうなものなのに。意外と脳というのはおバカなのかもしれませんね。そんな単純なことに騙されてしまうのですから。
とはいえ、スーッとする効果は大して長続きしないので、しばらくするとまた痒みがやってきます。そこで今度は、痒みの正体とは一体何なのだろうと考えるわけです。
痛みにしろ、痒みにしろ、その正体を突き止めた人は未だに誰もいません。私たちが日頃感じている感覚というのは、科学では脳が作っていることになっています。
けれども、それは本当のことでしょうか?私の考えでは、感覚をどこまで追及したところで、その正体を暴くことは不可能なのではないかと。
このことからも、非二元が浮かび上がってくるのですね。