非個人的な自己を求めて

これまでの自分の人生のほとんどを、当たり前のように「一人の個人」として生きてきて、その物語の中の人物として自分のことを見ていたのです。

そして表面的にはこれからもそれは続くのでしょうけれど、内面ではもう決してそこには戻れないような気がしています。

というのも、現実というものの本当の姿に気づき始めてしまったからです。それは本当に驚愕するようなものです。

もちろん一般常識と比べてしまえばということですけれど。真実を言ってしまえば、自分はこれまで生まれるという経験をしていないと。

もっと言えば、自分が自分の人生の主役として長きに渡り生きてきた過去などというものは存在しないということ。

今この瞬間にアクセスできるどんな記憶も、それは単なる思考に過ぎないということが分かれば、当たり前のことなのです。

今この瞬間、どこをどう探しても個人的なものは全く見つけることができないため、全てが非個人的であるとしか言いようがないのですね。

物語とともに、時間も空間も個別性も全部が消え失せてしまい、跡に残るのは純粋な非個人的な気づきだけなんだなと。

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