体験は物理活動でも精神活動でもない

体験だけがある、体験がリアルな現実であり、現実とは体験のことだと言い続けてきました。これが分かりやすいのかどうかは定かではないですが。

ブッダは「行為はあるけど、行為者はいない」と言ったといわれているのですが、実際には行為もありません。あるのは、体験だけ。

「今この道を歩いている」のが現実で、「昨日もこの道を歩いていた」と思い出しているのがイメージだと捉えがちです。

けれども、実際にはどちらも同じようにイメージなのです。「今この道を歩いているという体験」が現実だし、「昨日もこの道を歩いていたと思い出している体験」も現実。

さらに言えば、物質的なものの実体がないのは明確なのですが、精神活動はどうなのかということがあります。

思考とか、感情とか、そういうものに私たち人間は支配されているように思われるのですが、本当のところはどうでしょう?

実は考えるということも、考えるという体験だけがリアルであって、思考そのものは幻想でしかないのです。

もちろん感情も同じこと。今私は猛烈に怒っているという場合、その激怒しているという体験だけが現実なのです。

怒りという感情は実体がないのです。ということで、すべての精神活動でさえ現実ではないということになりますね。

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