この仕事をするようになるまでの間、私は相手がどんな人であろうとしっかりと向き合って本音で話し合えば伝わらないことはないと思っていました。
なにか特別の事情があって、脳に異常があるとか重篤な病気を患っていて、心を開くことができない等がない限りは、分かり合えるものだと。
そのように勝手に信じていたのですが、さまざまなクライアントさんと真剣勝負で話し合うときに、それが間違いだったと気づかされたのです。
それはきっと、それまでの人生の中でそれほど深く他人と関わったことが実はなかったからなのだろうと。
通じない時にはどれほど努力をしたとしても、決して通じないこともあるのだと。誰が悪いということではなく。
人間同士、孤立した個人と個人というのは、突き詰めてみれば本当には分かり合えないものだという悲しい現実があると知ったのです。
けれども、そのことを真摯に受け止めて、それが決して悪いことではなくて、そこには個人であるという原理的な制限があるということなのだと。
大切なことは、言葉では分かり合えないとしても、言葉を超えた部分を共有することは可能なのではないかと。
そして究極的には分かり合えないことを前提として、人との関係を無理のない状態で維持できるように心がけることが必要だと思いますね。
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