地球の歴史から見ると、人類が今のように我が物顔で活躍し出したのはつい最近のことですが、そういったスケールで見てみると、地球が太陽の周りを回っていると分かったのはほんの昨日のことだと言えます。
それまでは、ずっと太陽が地球の周りを毎日一周していると考えられてきました。いわゆる天動説と言われていますが、これは言ってみれば見えているままを表しているに過ぎません。
地球上から太陽を見るだけだと、どうしてもそれが自然だったということですね。それを見事にひっくり返して地動説を唱えたのはコペルニクスです。
彼は、どうやってそのような常識を覆すことができたのかというと、地上から太陽をただ見るというのではなくて、宇宙空間から見るということをやったのだと思います。
勿論、そのころはロケットも何もないですからイマジネーションの世界でしかないのですが、自分の立ち位置を地上から宇宙へと変えることによって、真実を暴き出すことができたのです。
こうした視点を変えて物事を見る姿勢というのは実はとても大切なことです。そしてどんなことにも応用することができると思います。
人は誰かに騙されたり、うそをつかれたりすることを好みません。真実を知りたいという願望をいつも持っているものです。
そのようになるためには、自分の立ち位置というものを必ず考慮しておくことです。それができないと、無意識的に自分にとって有利に思われることを真実としてしまいがちになるのです。
一番いい例が、こんな儲け話があるけれど、乗りませんか?などという誘いがあったとして、くだらないと思っていても、話しを聞いていくうちに騙されてその気にさせられてしまったりするということがあります。
それは、自分の立ち位置、この場合だと自分の利益という視点からだけ見ようとすることで、真実のように思えるようになってしまうのです。
もしも、冷静になって、相手の立ち位置になってその話しを聞こうとすれば、そんなおいしい話しを誰かに言うはずがないと分かります。
同様にして、誰かが自分にとても理不尽な態度をとるというときにも、立ち位置を変えて見ることでその理不尽さを受け取る自分の反応を変えることができるかもしれません。