いつの頃だったか、ハムスターを飼うのが流行ったことがありました。ハムスターは小さくて、たいした世話をする必要もなくて、手ごろで可愛いくて、子供でも簡単に飼えるので人気になったのでしょうね。
見た目は可愛いのですが、実は野生においては仲間が沢山増えすぎてしまうと、共食いを始めてしまうということを聞いたことがあります。
見かけによらず、なかなか凶暴なところがあるようですが、本当のところは共食いすることによって、全体の数を減らして絶滅することを防いでいるらしいのです。
元々、ねずみの仲間はみんな「ねずみ講」という言葉があるくらい、急激に増えてしまう特徴があるのです。もちろん、それは比較的弱い種が生き延びる作戦とも言えます。
もしも何の障害もなく、生まれた子供がすべて生き延びてしまうと膨大な数に膨れ上がってしまいます。その時に、自然の摂理として集団自殺をするのです。
どのねずみが自殺して、どのねずみが生き延びるのかという規則があるかどうかは知りませんが、そうやって全体の数を減らすメカニズムを持っているのです。
それは本当に不思議なことですね。以前、コラムにも書いたのですが、アポトーシスと言って、動物には不要な細胞が自然自殺するメカニズムがあります。
例えば、人間の指は、退治のときにはまだできてなくて、成長と共に指と指の間の細胞が自殺することによって、指の形ができてくるというのがあります。
一つひとつの細胞が、自分の役割を知っていて、指そのものになる細胞があれば、指を形作るために自殺する細胞もあるということです。
69億いる地球上の人々のうち、地球が成長あるいは発達していくために必要だったり、不要だったりする人々というのがあるのかもしれません。
人としての我々の気持ちからしたら、たった一人の命でさえこの巨大な地球よりも重いという言い方もできるかもしれませんが、地球から見たらどうなのかは謎ですね。
この自分が地球にとってどんな存在であろうとも、そのことに執着する必要もなければ、喜んだり悲しんだりすることも意味がないと思います。
自分は明らかにこの地球の一部です。そのことをよくよく見つめなおしてみることも大切なことではないかと思うのです。