いろいろな人が、いろいろな表現方法を使って、あるがままに生きることの大切さを指摘していますね。私も同感ですが、それは簡単なようでいて、なかなか難しいものかもしれません。
例えば、あるがままに生きることがすばらしいことだと聞いて、それならあるがままに生きるように努めようとしたら、もうその瞬間にあるがままではなくなってしまうということ。
それは努力しないように努力するとか、緊張しないように頑張るといったことと同じであると思うのです。あるがままとは、何かをどうにかしようとしないことなのです。
したがって、あるがままに生きようとすればするほど、それはあるがままから遠のいてしまうということに気づく必要があります。
あるがままとは、ある側面を捉えれば思考を使わない生き方であるとも言えます。だからといって、思考を止めようと考えれば、やはりあるがままではなくなってしまうのです。
あるがままとは、何かの問題を見つけてそれを殊更に改善しようとはしないということでもあります。だからといって、改善しようとする気持ちを抑圧することは、あるがままではありません。
改善したい気持ちがあるのであれば、その気持ちをあるがままに受け止めてあげることなのです。頭を使って思考の中に没入する癖があるなら、そうさせてあげればいいのです。
瞑想すると、あるがままを感じることができると聞いて、瞑想をしたとしても必ずしもいい結果にはならないかもしれません。
だとしても、その結果をあるがままに受け止めるということです。瞑想がうまくできなくても、そのことをあるがままに認めるのです。
あるがままとは、そのようにして今この瞬間の自分を全面的に受け入れるということです。そして、もしも受け入れられない自分がいれば、それそのものをあるがままに受け入れるのです。
やや逆説的な感じもしないではありませんが、あるがままとはそういうことです。あるがままを頑張って実践することはできませんが、あるがままができない自分をあるがままに受け止めてあげましょう。