心の玉突き連鎖を止める

私たちの心の中には、誰でもが自分に対する否定感を持っています。その反対の自己肯定感も充分にあれば、バランスが取れるのですが、残念にもそれが足りないと自己否定感ばかりが目立ってしまいます。

そうなると、その否定感を何とか払拭しようと頑張る意識が成長することになるのです。それは、いつも駄目な自分を見ているために、不安と隣り合わせであるのです。

その不安を感じることがあれば、必ず「どうしたらいいの?」という気持ちが沸き起こってきます。この「どうしたらいいの?」を受けて、必ずその次には、「何とかしなきゃ!」がやってきます。

「何とかしなきゃ!」はのんびり解決を待つような悠長な気持ちではないために、その次には、自分を駆り立てて何らかの思考あるいは言動を起こそうとします。

それが、自分をとり散らかった意識状態にしてしまうということです。一度その状態にはまり込んでしまうと、なかなか冷静さを回復することもできなくなってしまうはずです。

「自己否定感」→「どうしたらいいの?」→「何とかしなきゃ!」→行動へと駆り立てられる、こうした心の中での一連の関連は、ちょうど玉突きの玉のように瞬時に伝播します。

そして、何とかやりくりができたとして、冷静に戻ることができた、つまり我に帰ることができたとしても、またあっという間にこの心の連鎖がやってくるのです。

つまり、人生はこの連鎖の繰り返しをただ続けることになるのです。それは、本当に無駄なエネルギーを費やして、その結果は何も残らないということになるのです。

穏やかな心の状態で生活するためにも、この連鎖を是非とも断ち切る必要があります。そのためには、「何とかしなきゃ!」が来たときに、その声を真正面から受け止めることです。

困ったなと思って背中を向けていれば、かならず乗っ取られて、我を忘れて行動することになってしまいます。

「何とかしなきゃ!」をいつもこちらから探して、その気持ちをただただ、引き受けてあげるのです。それ以外には何もしないことです。

そうすれば、かならずこの連鎖から抜け出ることができるのです。いつもどんなときにも、その声の方向を見て、それをしっかり抱きしめてあげてください。練習あるのみです。