意識とは自覚しているということ

あらゆる動物や人間の赤ちゃんは、無意識の状態で生きています。これは、動物に限らず植物や鉱物にも当てはまることなのです。

ところが、人間だけが2~3歳くらいのときに、周りからの刷り込みによって、どうやら自分というものがここにいるという思いを持つようになるのです。

それは、自分を身体と同化することによって起こるのです。身体を自分だと信じ込むことは、人類が作ったこの世界の中では、誰もが通過する儀式なのです。

身体は非常に分かりやすい対象ですから、それと同化することによって、ここに自分がいるという自覚が出来上がるのです。それがきっかけとなって、我々人間だけに意識というものが起こるのです。

つまり、意識とは自分がここにいるという自覚なのです。自分を身体と同化させたあと、私たちはより自分を深く自覚するために、マインドと自分を同化するようになるのです。

そうやって、外側でも内側でも自分がここにいるという自覚を常に持てるようになるわけです。それこそが、私たちが意識と呼ぶものに違いありません。

これは無意識ばかりだった地球上においては、まさに奇跡的なことが起こったと言えるわけで、これ以上画期的なことは他にないかもしれません。

ところが、意識を得ることはできたのですが、固体としての自分を本当の自分と思い込んでしまったために、あらゆる苦しみがやってくることになってしまったのです。

これは、科学的に見れば当然のことだということが分かります。固体、個人というのは本当に危うい存在だし、自分を守らなければならない危険な状態なのです。

けれども、私たち人間が意識を手に入れた理由は、このまま苦しい人生を生きるためではありません。すべての無意識を意識に変えて、自分の真実に気づくためなのです。

意識を手に入れるために被った代償はとても大きいものだったのですが、ここからもっともっと意識的になっていくことができるなら、意識を持ったまま私たちの本当の姿に気づくことができるのです。

それこそが、生まれてきた本当の理由です。誰もがそのチャンスを持って生まれてきているのですね。