自我(エゴ)の生い立ちやその働きを深く理解することで、人類が共通に持っている苦しみや痛みなどの根源を知ることになるのです。
個人としての自分がここにこうしているという自覚、この思いこそが苦悩を作っている張本人だったと知ることになるということです。
その後、人は必ずと言っていいほど、何で人はそんなエゴに翻弄されて、辛い毎日を生きるようになってしまうのだろうか、という疑問が湧いてきます。
生まれてきた本当の目的とは一体何なのだろうか?なぜ、エゴなどというものにかかずらって、一度しかない貴重な人生を台無しにしてしまうのだろうか?
けれども、こうした疑問を持つのは誰なのか?それこそがエゴなのだと気づくことができれば、あるときにすべての疑問から解放されることになるのです。
疑問は思考の産物であり、真実はそんなエゴの疑問など相手にするはずもないのです。この世界には、エゴが考えるようなどんな目的も、意味も、何ひとつないということ。
その感覚がやってきたときに、エゴとの距離を感じられるようになるのです。あなたという個人は、最初の最初から存在していなかったという事実。
エゴはそれを決して認めないでしょうけれど、すべてはただあるがままに在るだけであって、それ以上でもそれ以下でもない。
ただ起こることが起きているだけ。エゴにとっては、受け入れがたいことが真実なのですね。