私たちのマインドというのは、一つのことにかかりっきりになっているのです。そのマインドの仕事とは、自ら問題を創っては、それを対処するということ。
問題をどう作るかというと、現実という物語をせっせと紡ぎ、その中に探せば無限にころがっている問題を見つけ出すという寸法です。
だからこそ、マインドは物語の住人であって、物語なしでは存続できないと言ったのです。物語そのものがいい悪いではなく、そこに無数の問題を見つけ出すことこそが本当の目的なのです。
そうやって、見繕った問題への対処法には、大きく分けて二種類のものがあるのです。一つ目は、問題と向き合って闘うこと。姿は勇ましいのですが、決して何も解決できません。
そしてもう一つは、その問題から目を背けて逃げること。どちらの対処法であったとしても、所詮は自己防衛であることに違いはありません。
マインドは、寝ている間にも問題を生み出すプロです。寝ている間の思考を夢と呼び、起きている間の思考を現実と呼ぶのです。
夢であれ、現実であれ、どちらの物語からも必要となる問題を創り出しては、対処する。これこそが、マインドの生存をかけて日夜続けていることなのです。
所詮は、マインドの自作自演だったということに、深く深く理解することです。そして、次に必要なことはどんな対処も放棄することです。
闘いもせず、さりとて逃げもせず。ただ問題だと思い込んでいることと一緒にいること。それについて、何もしないでいることができるなら、問題⇔対処のループから抜けることができます。
そうやって餌を与えないようにして、マインドを弱らせておいて、物語を外側から見れるように訓練するのです。それで一丁上がり。マインドの自作自演は終わりを迎えるはず。