人生って長いようでいて、意外に短いものなのですね。この年齢になって、ようやくそのことが実感と共に迫ってきたように感じています。
若い頃は、誰かが亡くなってもそれが自分に起こるとは思っていなかった。けれども、もうそんな悠長なことは言ってられないという心境なのです。
思い返してみると、自分の生き方ってほとんど変化していないということに気づかされます。メインとなるものは、明日には何かいいことがあるかもしれない!です。
今日までは大したことはなかった、でも明日かその次にはきっと何か今までとは違うことがやってくるかもしれない、そういう期待を常に持って生きてきたのです。
その期待は相当にしぶとくて、とても落とすことは難しいのですね。言ってみれば、明日への期待があったからこそ、そこそこ明るくめげずに生きて来れたのかも。
ところが、もうすでに今まで生きてきた時間よりも、残された時間の方が圧倒的に少なくなったことで、明日への期待というものを持ち続けることが難しくなったのです。
若い頃はその期待をやめることはほとんど不可能なことだったものが、今ではその期待のことを考えるとただ虚しいだけになってきたということです。
これはいいことなのか、悪いことなのか?自分としてはいいことだと感じています。期待がなくなれば、未来は自動的に落ちて行くしかないからです。
すると自然と今日の自分がどうあるかということにこそ、意識が向かうようになるのです。これは利用価値がありそうです。
歳を重ねてきて、成り行きとして手に入った大いなる気づきなのかもしれません。本当に期待がなくなれば、欲望もなくなって、それだけマインドは活力を失うはずです。
マインドが静かになれば、静寂こそが自己の本質だと気づくことができるのでしょうね。