心の拠り所に気づくこと

人は自分の不安や孤独感から逃れようとして、さまざまなものを心の拠り所にして生きているのです。勿論、気づいているかどうかは別として…。

幼い頃は、ごく一般的には家族に対する依存があり、成長するにつれてそれが友達だったり、所属する学校だったり、部活だったり。

あるいは自分の能力やそれまでの実績なども含めて、あらゆるものを拠り所として生きるのです。とにかく不安や孤独が一瞬でも癒えればいいのですから。

当然大人になって、社会人になれば今度は仕事だったり、結婚すれば子育てなどに対しても、気づかぬうちに拠り所とするのです。

そうやって表面的には自立しているように見えても、心の奥底では大なり小なり心の拠り所となるものを握りしめているのです。

それを失くして初めて、それを拠り所としていたと気づくのですが、それまでは自分はもう独りで立派に生きていると思い込んでいるのですね。

心の拠り所というのは、いざとなったときに受け皿となってくれる人、お金、モノ、場所だったりするのです。

だから家族もいなくなり、友人もいなくなり、職も失い、お金もなくなってみれば、どれほど独りでは生きていけないのかが分かるはずなのです。

そのとき、マインドが信じている「分離」からくる不安と孤独がどれほど過酷なものかということにも気づくのでしょうね。

マインドは、拠り所なくしては生きていけないのです。そして分離という幻想が消えたとき、マインドも消えてやっと自然と調和して生きることができるのです。