心理的な貸し借り

人は誰でも、他の人に助けてもらったら「ありがとう」という気持ちになりますね。勿論、相手が人でなくても構いません。

起きている事態そのものをありがたいと感じれば、そこには感謝の念がやってきます。そしてそれはそこで完結しているのです。

誰かに誕生日のプレゼントをいただいたら、そのことを心から喜ぶことができるなら、自然と感謝の気持ちがやってくるものです。

けれども、そこでもし今度は自分がプレゼントのお返しをしなければと思うなら、実はマインドは相手の気持ちを受け取れていないのです。

受け取れているなら、感謝することで完結するはずなのです。その場合には、プレゼントは自分のものとすることができるのです。

一方、受け取れないでいると、それは宙ぶらりんの状態でどこかに隠し持ったままになっていて、それを今度は相手に返球しなければとなるのです。

だからそこには本当の感謝がないということですね。その場合には、相手に借りがあるという感覚になってしまうのです。

だからなるべく早く借りを返したいと思っても当然です。勿論この逆もあって、相手に与えることができないと、貸しがあるという気持ちになるのです。

その場合には、私がこれだけのことをやってあげたのに、感謝が足りないなどと相手を恨むことにもなったりするわけです。

物理的なものやお金に対して、貸し借りがあるのは分かるのですが、心理的な貸し借りは全くもって何の役にも立ちません。

復讐心もその一つですね。自分の内面を深く探ってみて、心理的な貸し借りがあることが分かったら、そのどちらもゴミ箱へ捨ててしまうことです。

私たちの存在は、すべてに平等なのですから。