理由なき否定は厄介

幼い頃に、親やその他の家族に否定された経験がない子はいないでしょうね。どんな言葉や態度であれ、何らかの否定をされたと感じたことがあるはずです。

周りは、特に否定したとは思っていないとしても、当の本人が否定されたと感じれば、それは否定されたということになるのです。

その結果、幼い心の奥深くに否定的な自己イメージが形成されてしまうのです。そしてその多くは云われのない否定なのです。

〇〇だからダメなんだと云われたとしても、それが繰り返されるうちに、自分という存在がダメなのだというように解釈されてしまうのです。

能力や容姿、あるいは性格などを否定されたとしても、やっぱり最後には自分という奴はダメなのだに持って行ってしまうのです。

そうなると、そこにはもう否定される理由というものがなくなってしまいますね。つまり理由などないのだけれど、とにかく否定される存在だという信念が作られるのです。

こうした自己否定感、あるいは否定的な自己イメージがあれば、当然のことながら何とかして肯定的に見てもらえるようにと頑張るのです。

けれどもどれほど肯定的な部分を増やして行ったところで、たった一つの理由なき否定があるだけで、すべてが無駄骨になってしまうのです。

このようなエンドレスの無駄骨から抜け出すためには、次のことを深く理解することです。催眠術で動物にされた人を見たことがあるでしょうか?

あなたはライオンになる!のようなバカバカしい指示通りに、ライオンになったように行動するのは、潜在意識が指示を素直に受け入れる特徴があるからなのです。

催眠術は、人の潜在意識に直接指示を与えるために、理性ある大人であっても素直に言うことを聞いてしまうわけです。

幼い頃というのは、それとまったく同じ状態なのです。ウブなマインドはそれ自体が潜在意識むき出し状態のようなものなのです。

だから家族の言葉一つ一つをそのままに受け入れてしまうのですね。つまりインナーチャイルドは大人になった今でも、深い催眠状態のままで、云われたままを信じて疑うことができずにいるのです。

そのことにしっかりと気づいてあげることです。そんな理不尽な自己否定を固く信じているインナーチャイルドを不憫に感じて、抱きしめてあげることです。

そうすればいつかは、大昔の理由なき否定をゴミ箱に捨てられる日がくるはずです。