マインドの「仕返しメカニズム」

昨年先輩力士から暴力を受けて大変な目に遭った貴ノ岩関が、今度は自分が暴力行為に及んで加害者側になってしまったということをニュースで知りました。

残念な事件ではあるのですが、テレビのコメンテーターが言うほど、実は私は驚いてはいないのです。

というのもマインドの習性として、されたことはし返すという傾向があるということを知っているからです。

たとえば幼い頃に、父親に暴力を受け続けたとすると、本人は暴力を激しく嫌う反面、溜め込んだ怒りが原動力となって自分が暴力を与える側になったりするのです。

小さい頃に、親から充分に受け止めてもらえなかった過去を持つと、今度は自分が親になった時に、子供に対して受け止めることのできない親になるのです。

もちろん100%ではないにせよ、あるいは必要な癒しをしない限りは、こうしたことは世代を超えて続いていく傾向が強くなるのです。

相手を受け止めるというのは、誰にでも備わったごく普通の能力なので、受け止められないのではなく、受け止めたくないというマインドの状態になるだけなのです。

マインドの仕組みの中にある、「仕返しのメカニズム」を深く理解することができれば、表面的な理屈で人を裁くことも少なくなるはずですね。